時間と高収入を得るかわりに、
失うもの。
狂っていくもの。
現在は、「大学時代」を書いています。
▼四葉ストーリーの「大学時代」記事一覧
【15】大学1年。実家から通学したけれど。
【16】大学2年。仕送りは一切いらないから。
【17】2番めの彼氏。初めての愛される喜び。
【18】普通のバイトじゃ間に合わない。
【19】短時間高収入の代償。←今回
【20】心と体はだませない。努力にも限界がある。
ほしかった、自由な時間とお金
短時間高収入のバイトで得られるものは、
まさに、「時間」と「お金」です。
これで私は、休日に彼と会う時間を確保できる。
友達に誘われていた旅行にも、行くことができる。
毎日を忙しくしていた私にとって、
自由に使える「時間やお金」が出来たことは、
確かな喜びであり、安心でした。
同時に失ったもの、狂ったもの
それと同時に、確かに失ったもの、
狂ったものがありました。
まず、金銭感覚が狂いました。
一度に大金を手にして、
「せっかくだから、
これまで買えなかったアレを買っちゃおう」。
先々のために「貯めておく」つもりだったお金も、数ヶ月で底をついてしまいました。
また、バイトをしていた時の、
不規則な生活、夜の飲食などで、
体重が増え、肌が荒れました。
ストレスからの過食もありました。
大好きな彼氏がいるのに、
彼に隠れて、お客様に媚びを売っている罪悪感。
こんなバイトをしていることが、
彼にバレたらどうしよう。
世間に知れたらどうしよう。
隠し事をしている、やましさ。
バレないかの恐怖。
また、彼に隠れて、
こんなバイトをしている自分への
自己嫌悪感。
「後ろめたくて汚い自分」を
何とかしたくて、
増えた体重や 荒れた肌も
何とかしたくて、
フィットネスクラブや
エステの無料体験へ出掛けました。
金銭感覚が狂っていて、
少しでも早く「キレイ」になりたい私は、
そのまま「安めのコースなら」と契約をしてしまい、
またも、お金が必要になる事態に。
ズルズルと、そんなお金の悪循環に、
はまっていってしまいました。
再び、水商売へ。
半年も経たないうちに、
私はまた、水商売の仕事をすることになりました。
今度は、スナックのホステスでした。
彼氏や周りの人には、
「宴会が多く入る高級料理店で働いている」
などと言って、週3日ほど働きました。
そこは、新規オープンしたお店で、
スナックのママに衣装などを借りながら、
働き続けました。
私は平気。私は割り切っている。
こういう仕事をして、こういう世界にいると、
健全な金銭感覚や人間感覚が、
どんどん狂っていきます。
そして、思考停止していきます。感覚がマヒしてきます。
「私は、全然平気」。「私は、割り切って やっている」。
たとえ水商売していても、
お客さんと同伴することがあっても、
「私の気持ちは、彼一筋なんだから」。
大きな矛盾があっても、「しょうがない」。
彼と一緒の時間を作るためには、
大学生活を続けるためには、
「これしか方法がないんだから」。
すり切れたような、さびれたような、
へんな心の虚しさを抱えながら、
「平気平気」と、自分に 言い聞かせていました。
やっぱり、特殊な世界です。
水商売や風俗の仕事をしている人、
そしてその世界を私は、否定する気はありません。
だけど、短時間で高収入が得られるということは、
やはり、それだけの理由はあるのです。
特殊な世界なのです。
そして私は、若い女の子たちや、自分の娘に、
そのような働き方を 勧めたくはありません。
「女性性」「若さ」「美貌」で勝負する世界は大変です。
ずっとなんて、出来ません。
だけど、その手軽さや金銭感覚のマヒ、
人間関係や生活感覚のマヒを覚えてしまったら、
そこから抜け出すのは、ものすごく大変でしょう。
様々な事情があって、そのような働き方をするしかない方。
あるいは、そのような世界が本当にその人に合っていて、
長く働いていける方も、いらっしゃるのだろうとは思います。
ですが、多くの人にとっては、
長く安定して働くことは出来ない世界ではないでしょうか。
足を踏み入れたら、失うものや狂うものも少なくない以上、
やはり私は、
地に足が着いた働き方を、おすすめしたいです。
→【20】「心と体はだませない。努力にも限界がある。」 へ続く。
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【15】大学1年。実家から通学したけれど。
【16】大学2年。仕送りは一切いらないから。
【17】2番めの彼氏。初めての愛される喜び。
【18】普通のバイトじゃ間に合わない。
【19】短時間高収入の代償。←今回
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