【17】2番めの彼氏。初めての愛される喜び。

四葉ストーリー

気を許して、甘えることができる。
はじめて味わった、愛着の喜び。

今は、「大学時代」を書いています。

【15】大学1年。実家から通学したけれど。
【16】大学2年。仕送りは一切いらないから。
【17】2番めの彼氏。初めての愛される喜び。←今回
【18】普通のバイトじゃ間に合わない。
【19】努力にも限界が。無理は後でツケが来る。

 

3つの活動だけなら、回せていた。

前回の記事で、
「学業」と「バイト」と「サークル活動」。
この3つの活動を、何とか回す体制を整えたと書きました。

この3つを回すだけの生活なら、
大変だけど、何とかこなせていける。

それが出来れば十分!
だって、大好きな演劇が思う存分、できるんだから!

最初は、そう思っていました。

新しい彼との出会いで、均衡が崩れる。

ところが、大学2年になり、
新しい彼氏ができたことで、
その均衡が崩れてしまいました。

私は彼との出会いで、生まれて初めて、
「気を許せる、甘えられる喜び」
を知ってしまったのです。

「彼との時間が、もっと欲しい」。
「もっと一緒に過ごしていたい」。
そう渇望するようになってしまいました。

恥ずかしいけど、「愛着」に関わる内容だから、書く!

今回の記事では、
この辺りを詳しく書こうと思います。
正直、ちょっと長い記事です。(いつも、長めだけどあせる

そして、この内容をブログで公開することは、
やっぱり、恥ずかしいです!

ですが この辺りの内容って、
実は、「愛着※」に関わる、
とても重要な内容だとも思っています。

※「愛着」
…辞書的な意味は複数ありますが、臨床心理の場でいう「愛着」は、
「子どもが不安な時、養育者にくっつくことで、安心を求める本能」
のこと。

自己肯定感の育成や、子どもの健全な発達を考える時、
欠くことのできない重要な要素です。
カウンセリングをやっていても、
愛着のテーマ抜きには、語ることができません。

ですので、
愛着のテーマを自分に感じている方
この後の詳しい内容に付き合ってもいいという方は、
ぜひ、最後までお付き合いくださいませ。
(この後の文章は、だいたい、2,500字くらいです。)

気を許せ、甘えられる人が欲しかった。

まずは、その
「新しい彼氏」ができる前の事情を、
少し説明させてください。

私は、物心がついてから、大学2年になるまで、
「気を許せ、甘えられる人」が、
本当に、全然いませんでした。

親にさえ、「気を許して甘える」ということは、出来ませんでした 。

わが家は、親が特別厳しかったとか、虐待するような親だったとか、
そういうことはありません。
(ただ、両親はいつも不仲で、私は顔色を伺っている部分はありました。)

多分、私は
「しっかりものの長女」というキャラクターがすっかり定着してしまって、
自ら、それを出来なくしていたのかも知れません。

▼高校入学時の写真。4人姉妹の長女です。

また、高校~大学1年まで付き合っていた「最初の彼氏」にも、
私は、気を許したり、甘えたりすることが、全然できませんでした

彼は「安心感」どころか、常に、私に思わせぶりな態度を取ったり、
私の前で別の女子と仲良くしてみたり、駆け引きをしてきたり、
何というか、常に「不安感をかき立てる」存在でした。

カウンセラーとなった今では、なぜ彼がそういう態度を取っていたのか、
その背景や悲しい事情も、ある程度は理解できます。

ですが当時の私にとっては、付き合っているのに満たされないという、
残念で切ない関係
でした。
(なのに、なかなか別れられなかったという・・・。)

そうやって、
親にも、彼氏にも、親しい友人にも、
「気を許せず」「甘えられない」状態が続いていたんですね。

それで、当時は自覚していませんでしたが、
実は、たまらなく不安で、
寂しかったんだと思います・・・。

無意識の方ではずっと、
「気を許せて、甘えられる人」
「愛着を満たせる人」
を、求めていたんだと思います。

忙しさと寂しさで、やさぐれていた大学1年

そんな状態だったので、大学1年の時は、
高校時代の彼と、中途半端な付き合いを続けつつ、
どこかで、そんな私を受け止めてくれる、
「新しい彼氏」を求めてもいました

実際に、何人か言い寄ってくれる男性もいたのですが、
どこか違うな、とご縁に繋がらなかったり。

あるいは 1人だけ、「この人は!」と思えた人もいたんですが、
その人は、お酒の席でだけ、私に優しくしていたんですね。

それで、私のファーストキスまで奪っておいて(ヒドイ!)、
私をその気にさせておいて、
実は後で、すでに彼女がいる人だと分かった…。
そんな残念な経験もしました。
(人生経験も恋愛経験も少なく、若かったのです・・・)

大学1年までは、そんな残念な経験ばかりしてしまって、
「男なんて結局、そんなもんなんだ!」
「本当に安心して、気を許せて、甘えられる人なんて、いないんだ。」
「男なんて信じられない!」

ひいては、「人間なんて信じられない。」
そんな所まで発展してしまったのでした。

そんな訳で、大学1年の時は、
忙しさと孤独感で、大分やさぐれていました。

初めての、気を許せ、甘えられる喜び。

ところが大学2年になって、
下宿をするようになって、

私は初めて、
「気を許せて、甘えられる人」を
見つけることが出来たのです!

出会いは、いわゆる合コンだったのですが、
私にとって彼との出会いは、
本当に大きな、貴重な出会いでした。
(結局 彼とは、この後6年以上付き合いました。)

彼は、私がしっかりしているとか、頑張っているとか、
そういう部分で認めてくれている訳ではありませんでした。

ただ単純に、「女の子として」、私を受け入れてくれました

私も、彼には肩ひじを張らずに、
素直に甘えたり、気を許したりすることができました。

その安心感。
居場所感。
根源的な喜び。

まさに彼との出会いで、
私は、物心がついて初めて、
「愛着欲求が満たされる」実感を、することができたのです。

でも、現実的な見方をしたら、
正直彼は 私のことを、
「性的な対象」として求めていた部分もあったと思います。

だけど私にとっては、彼とのスキンシップが、
「性的喜び」というよりも
「愛着を満たされる喜び」だったんですよね。

頭をナデナデしてもらったり、
寂しい時にギュッとしてもらえたり、
そういう感覚の喜び。

シンプルに、
「人と触れ合う温かさ、ぬくもり、安心感」。

そういうものが、
たまらなく心地よくて、
満たされていました

これこそまさに、
愛着(アタッチメント)的な喜びですね。

こう書いてきて、改めて思います。

当時の彼は、私にとって、
「異性のパートナーというより、
愛着が得られる対象だった」んだなと。

小さい子どもが、親に甘えたい。
そんな感覚で、彼を求めていたんだなと、今なら、分かります。

彼と、もっと一緒に過ごしていたい。

ともかくそんな訳で、
私は、彼との関係に
すっかりハマってしまいました。

「彼とずっと一緒にいたい」。
そういう思いが、
日に日に強まってしまいました。

ですが、私は ただでさえ、
学業・バイト・サークル活動で、
忙しい毎日を送っている訳です。

休日だって、本当は彼とずっと一緒に過ごしたいけれど、
休日こそ、警備員のバイトを、朝から夕方まで入れなければならない。

普段は、学業とサークル活動で忙しい。
会えるのは、夜の間だけ。

彼には時間があるのに、
私が忙し過ぎて、ゆっくり会えない・・・。

「もっと、彼と一緒にいたい」。
「もっと、この安心感を味わっていたい」。

その気持ちが高じて、
時には大学の授業をサボることもありました。

そして、また悩むようになりました。

「今まで通り大学生活をこなしつつ、
彼と一緒にいる時間を、もっと確保するためには、
どうしたらいいだろう」。

→★次回の記事
「普通のバイトじゃ間に合わない」

に続きます。

★後日かいた、今回の関連記事
「抱きしめてほしい」欲求、どうしたら?

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四葉さわこ

四葉さわこ

公認心理師。愛着トラウマが専門。カウンセリングルーム「アイバランス」代表。

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