昨日の神田沙也加さんの訃報、大変ショックでした。
昨年7月に三浦春馬さん、9月に竹内結子さんが亡くなった時のことも思い出しました。
彼らの訃報ニュースに触れ、カウンセリングのお客様でも、大変不安定になられた方が、何人もいらしたのです。
(改めて、今回のニュースを知り不安定になられている方は、どうぞ、これら報道に触れる機会を減らしてくださいね。)
そして今回の出来事を、「なぜ?!」と動揺するだけの出来事にはせず、以下のような視点を持つ、ひとつの機会にしていただきたいです。
今回は、まじめで、頑張り屋さんで、責任感が強い人にこそ、ぜひ読んでほしい、知ってほしい内容です。
努力家の神田沙也加さん
神田沙也加さんのこと、私はとても好きでした。
有名人の子どもということで、そのプレッシャーは大変なものだったと思います。
そしてそんなプレッシャーがあったからこそなのか、「自分の実力」を付けようと、大変努力され、苦労されているお話も、時々見聞きしていました。
そうやって一生懸命がんばりながら、「アナと雪の女王」や数々のミュージカルで、素晴らしい演技や歌声を披露してくれていること。私は、尊敬の念をもって 拝見していました。
努力して結果を出していた「のに」?
今回、沙也加さんの訃報ニュースを知って、
「あんなに頑張って、結果も出していた・のに」
とおっしゃる方がいます。
でも、私は違うと思っています。
「あんなに頑張って、結果も出していた・からこそ」
余計に苦しかったのではないか。
そう思うのです。
それは、カウンセリングにいらっしゃるお客様に、時々そのような方が 見られるからです。
世間からは スゴイ!優秀!と見られるような、学歴や実績やキャリアを出している方が、いらっしゃいます。
でも実は、大変な努力とプレッシャーで、つぶれるような思いをしていたり、あるいは実際に、つぶれてしまうような経験(うつ病や体調不良になって、不登校や休職に陥る等)をされている方が、何人もいらっしゃるのです。
頑張り屋さんの0か100か思考
まじめで責任感が強く、自分に自信がない人ほど、以下のように考えてしまいます。
「頑張らなきゃ。
選ばれた以上、結果を出すべき。
期待に応えるべき。」「結果を出して、
ちゃんとやる(=100点)
のが当たり前。」「そうでない私
(=70点や50点)なんて
ダメ(=0点)だ。」
本人は、点数では考えていないかも知れません。でも実際は、無意識にそのような感覚でいるのです。
これがまさに、0か100か思考です。
白黒思考とも言います。
頑張りすぎる人、結果を出せて「しまう」人は、0か100か思考に陥りやすいのです。
「なきゃべき」の怖さ
理想(100点)を持ち、めざすこと自体は、悪いことではありません。
でもそれが、「なきゃべき」(=そうしなきゃ。そうなるべき。そうして当たり前。)…になってしまったら、苦しいです。
まずは、「100点が取れない、それが叶わない」時は、辛いです。
「なきゃべき」なのに、そうじゃない。
そんな自分はダメだ、ダメだと責め続けるなら、さらに苦しいですよね。
そして、理想(100点)が叶った時も、なきゃべき姿勢だと辛いのです。
「理想通りに出来ている自分」が、「なきゃべき」で、「自他ともに当たり前」になってしまったら…。
しかもその「100点の当たり前」が、甚大な努力を要さないと果たせないものだったら。
その甚大な努力を、常に、当たり前のようにキープし続けることは、どれだけ苦しいことでしょうか。
100m走の全力疾走を、42.195㎞のフルマラソンでキープし続ける。そんなムリが続けられる訳ないのです。
「なきゃべき」からの脱却
理想や完璧な形を、「なきゃべき」と捉えることは危険です。
その理想形は、現状とか、生身の人間の限界とか、そんな「当たり前の実体」に、即しているものでしょうか?
自分のことを「こうなるべき。こうじゃなきゃダメ」と断じることは、理不尽です。
「ありのままの 実体の自分」で、OKなのです。
「なきゃべき」で、自分の価値を決めないでください。
スタート地点は、「なきゃべき」でなく、「今ここ・ありのまま」にしてください。
改めて、
「〇〇しなきゃ。〇〇すべき」と
つい思ってしまう人に、質問です。
【質問】
その「なきゃべき」は、
「私はこうしたい。ああなりたい。」と
言い換えられるものですか?
もし言い換えられないなら、
そんな理想や常識は、手放してしまった方がいいです。
でも、その理想が純粋に、
「私はこうしたい。ああなりたい」と 本心から思えるものならば。
まずは、「今ここ・ありのまま」の自分を否定しないでください。
そして、「今ここ・ありのまま」からスタートできる、実体に即した、ムリのない形を模索してください。
求め過ぎず、囚われ過ぎず。
実体に即した、今の自分を認められる形を、見つけてあげてください。
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以上です。
最後に、様々な苦労や努力をされながら、いつも素晴らしい演技や歌声を魅せてくださった、神田沙也加さん。
今は安らかに、お休みができますように。
心から ご冥福をお祈り申し上げます。
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