【2】子どもの知らない、親側の事情。背景。

四葉ストーリー


前回の記事
【1】親は悪くない。子は影響を受ける。で、私が長らく、
以下のような思い込みを持っていた、ということを書きました。

①ウチはお金がない。お金がないのは、お父さんのせい。
②人の顔色が気になる。人の評価が気になる。
③私はちゃんとしよう。聞き分けの良い、いい子でいよう。

そして、このような思い込みを持った原因として、
0~4歳頃の影響も大きいだろう
と書きました。

今回は、その具体的な背景を書きますね。

3歳頃までの記憶って、ありますか?

ちなみに、3歳頃までの記憶、
思い出すことは出来ますか?

私は正直、幼稚園入園前
(4歳まで)の記憶は、
全く思い出すことができません。

脳科学等を勉強すると、
身体的な記憶、潜在的な記憶は
持っている
んだけど、

それを後から思い出したり、
言語化したり出来るようには
覚えていない。

そんな説明がされています。


私が今回、0~4歳時のことを書けるのは、
親に直接、当時のことを訊いたからです。

成長の中で聞いてきた話もありますし、
カウンセラーになってから、
心理療法を勉強する中で、
自分の成育歴をひと通り振り返る必要もあったんですね。

そのような過程で、
必要があって、
親に聞き取りをしていたんです。

今回は、そうやって聞き取りをしていた、
主に母親からの情報を元に
書きたいと思います。

▼生後8ヵ月くらいのわたし

私が誕生するまで

まず、両親は職場結婚でした。

名前は出せませんが、
今でも有名な国内大手メーカー
勤めていて(ここではA社とします。)
母は、私の妊娠を機に退職しました。

当時(昭和48年、第二次ベビーブームの年)は、
「寿退社」とか「子どもができたら、家に入って専業主婦する」のが
当たり前の時代でした。

▼昭和の台所風景

母が、私を身ごもって、妊娠7か月位の時。

父と母はアパートを出て、
父の実家近くに新居を構え、
住むことに
なりました。

しかし、父の勤務先は、
新居から通勤するには遠い場所。

そのため、平日は
父は単身赴任、
母は新居で一人暮らし、
という別居生活
をすることになりました。

週末だけ、父が母のいる新居に戻る生活
をしていたそうです。

つまり 母は、

・初めての妊娠。
・慣れない土地での一人暮らし。
・しかもそこは、夫の実家や夫の親戚が多く住んでいる、気を使うであろう場所。
・夫自身は、週末しか帰ってこない。

・・・という生活。

この状況だけでも、
母の不安は大きく、
苦労があったんじゃないかな、と思います。

私の誕生、父の転職、不安定な生活

さて、私は
昭和48年7月6日に、
この世に誕生
しました。

先にも書いた通り、
第二次ベビーブーム世代です。

▼生後一週間のわたし

当時の両親の年齢が、
父が28歳、母が24歳。

自分が大人になって改めて、
父も母も若かったんだなぁ。

その年齢では、まだまだ
大変な部分があったろうなぁ、
と思うのです。

ところで、母が私を出産する時、
父は、立ち会うことができなかったそうです。

後に妹が3人生まれ、
私は4人姉妹の長女となるのですが、

「4人の子ども全ての出産で、父は立ち会ってくれなかった」と、
後に、母から何度も愚痴を聞かされました


ですが、父は私たちへの愛情がなかった訳ではありません。

私たちが小さかった頃、
父はよく子どもと遊んでくれたと、
母から聞いています。

(大人になって、孫が生まれてからも、
父は、私たちの子どもとよく遊んで可愛がってくれました。)

話は戻りますが、
そんな父は、
せっかく 結婚もして、
せっかく 子どもも生まれたのに、
単身赴任の生活となっているのが、
イヤ
だったんでしょうね。

私が生まれて1ヵ月も経たないうちに、
父は、母に相談することもなく、
勝手にA社の退職を決めてしまった
そうです。

▼父とわたし

その決断は、自宅近くに
別の大手メーカーB社の工場が
新しく出来たことも、後押しとなったようです。

しかし父は、
そのB社に入社したものの、
あまりの重労働に、10日ほどで
そこを辞めてしまいました。

そこから、
私が4歳の頃まで、
父の転職が続いた
のです。

父は、自宅から通える範囲の
いろいろな会社、
中には、学習教材の訪問販売や
カーブミラーの販売などにも
取り組んだそうですが、

母いわく、
ことごとく上手くいかなかった
んだそうです。

ちなみに、
父の名誉のためにも書きますが、
父は、大変真面目な人間です。

学校の成績も、
地元の進学高校を優秀な成績で卒業する位、
ずっと優秀だった
そうです。

ただ、口下手なタイプで、
コミュニケーションは苦手なタイプかもしれません。

とにかく、父は一生懸命なものの、
なかなか生活が安定せず、
家計はどんどん苦しくなりました。

母は、独身の時に貯めた貯金を切り崩しながら、
時には、実家に借金もして、
生活していたそうです。

そして 私が3歳の時、妹も誕生しました。

▼こちらはイメージ画像

なお、母は父が大手A社を辞め、
転職が続いたことについて、
親戚に、あらぬ噂を立てられていたようです。

「(母が父を)そそのかして辞めさせた。」
「そのせいで、こういう形になった。」

(事実は全く違うのですが)

他にも、母が姑との関係で
かなり苦労していた
など、
母から聴いた苦労話は たくさんあるのですが・・・。

ともかく 母は、
私が0~4歳の頃、

・夫の仕事が安定せず、

・家計は苦しく、

・姑との関係にも苦労して、

・幼子2人を抱え、専業主婦として頑張るしかない

生活を、ずっとしていた訳です。
どれだけ、不安やストレスがあったことかと思います。

▼母とわたし


長くなりました。
続きは、次の記事で!

 

四葉さわこ

四葉さわこ

公認心理師。愛着トラウマが専門。カウンセリングルーム「アイバランス」代表。

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