強制的「すべき」「しなくちゃ」 の手放し方

じぶん調整

先日、メルマガで出した内容ですが、
好評をいただいたので、こちらでもご紹介しますね。
(少々長いですが、ご興味ある方はぜひ!)

 

強制的「すべき」「しなくちゃ」 は手放そう。

ずっと気になっている、あの課題。
ちょっと面倒な、習慣改善。

私もつい、
「〇〇すべき」「〇〇しなくちゃ」
と言ったり、考えたりしてしまうことが、
よくあります。

ですがこれ、やっぱり良くないのです。

自分に使ってしまうのも、
誰かに言ってしまうのも。

もしこれが、口グセ・思考グセに
なっているなら、
すぐに直したいものです。

今回は、その理由や 改善方法について、
ご紹介しますね。

なぜ良くないのか。

なぜ「〇〇すべき」「〇〇しなくちゃ」は、
やめた方がいいのか。

それは、これらの言葉には、
「そうでないと許されない」という、
脅迫(強迫)的な「圧」があるから
です。

この圧は、大なり小なり、
その人にプレッシャーをかけ、
心身に「緊張と萎縮」を生み出します。

その余計な「緊張と萎縮」は、
その人の良さ、らしさ、
のびのびとした活動、意欲、
アイディア等が出るのを、
妨げてしまうのです。

なお、この圧(ストレス)が、
「その人にちょうど良い」量なら
「短期的に見た場合は」、
効果を発揮することもあります。

ですが多くの場合、
ちょうど良い量、刺激になっていません。

しかも、この圧が
慢性的に続いてしまうと・・・

その人は、プレッシャーとストレスが積み重なって、
ますます「やるべきそれ」が、
やりたくなくなったり、
出来なくなったりするのです。

そうすると その人は、
「こうすべき」「なのに できない自分」
となってしまいます。

その自己否定感
ますますストレスになる。
ますます出来にくくなる・・・

こんな悪循環に陥りやすいのです。

 

では、どうすれば良いのか。

では、「〇〇すべき」「〇〇しなくちゃ」
と思うような内容がある場合、私たちは、
それを どう扱えばよいのでしょうか。

改善するポイントは、以下の3つです。

【1】「〇〇したい」などに変換できないか、自分に問う

【2】実際に行動するか、自分に問う

【3】決して、今の自分を責めない

では、1つずつ説明しますね。

【1】言葉を変換できないか、自分に問う

まず最初に、以下のような言葉に
変換できないか、自分に問いましょう。

「〇〇すべき」
「〇〇しなくちゃ」

→「〇〇したい」
「〇〇でありたい」

世間や誰かの基準ではなく、
「自分基準」で、実際に
それが「したい」のか?
そう「ありたい」のか? 

自分の内面に 問うてみましょう。

「したい」「ありたい」は、
自分が実際にそれを望んでいないと、
本心からは使えない言葉です。

そしてもし、
「自分は、本当はそれを望んでいないな」
と気がついたら、次のように思いましょう。

「あの人(世間)は、
そうした方がいいと思うんだな。」
「でも自分は、そうしたいと思っていない。
自分が、そうである必要はない。」

相手や世間基準に流されず、
自分の感覚、自分の基準を確認しましょう。

【2】実際に行動するか、自分に問う

次に問うのは、行動です。
実際に、自分はそれを、
「行動に起こしたい」のか?

時には、【1】で「自分は望んでいない」
と分かったけれど、
「やるしかない」ケースも、あると思います。
(例えば、宿題をやりたくないけど、提出しないと単位が
もらえない、などの場合)

ですがこれも、とことん突き詰めれば、
最終的にはこうしたい、があるはずです。
(上の例で言えば、「単位は取りたい」など)

そうすると、「単位を取りたいから、そのための行動をとる」のかどうか。
その行動を起こすかどうかの選択を、
やっぱり、自分に問うことになる訳です。

もちろん、その行動(宿題)を、
どうしてもやりたくないと言うなら、
単位が取れないという結果や責任を
引き受ける覚悟で、「行動しない」。

そういう選択も、アリですね。

でも、「単位がほしい」から、
仕方なく宿題という「行動を取る」というのなら・・・

「やらされ感」でなく、
「自分が選んだ感」で進められると、
ストレスが少なくていいですよね。

==============
◆行動することを選んだ場合◆
==============

さて、「〇〇したい」。
だから「行動する」と決めたのなら。

まずは、
「望むイメージ」と
「今の現実や状態」を、
しっかり「区別」する
ことから始めましょう。

頭の中では とても簡単に、
理想が叶った自分や、
完璧に事を進められる、
都合の良いイメージ
思い描いたりしてしまいます。

頭では1秒で思い描けることが、
実際に行動に起こすとなると、
何時間も何日も、
場合によっては、何ヶ月も何年も、
かかる場合があります。

・・・決して、ネガティブに捉えろという意味ではありません。

ただ、具体的に行動を起こすためには、

(1)自分の現在地
(2)まず目指したい、実現可能な目的地
(3)(1)と(2)をつなぐスモールステップな道のり

これらを冷静に検討する必要がありますね。

その上で、(3)をできる所から、
順番に「行動」していく。

実現を目指すなら、そうやって一歩一歩、
取り組んで行くしかありません。

==============
◆今は行動しないと選んだ場合◆
==============

では、「〇〇したい」、
「だけど今は、具体的に実現を目指す行動は起こさない。起こせない。」
という場合。

この場合は、どうすれば良いでしょうか。

その時は、
「今の自分」を決して否定せずに

ただ純粋に、〇〇したい、
こうなりたいというイメージを、
「楽しめれば」いい
と思います。

ご存知の方もいると思います。

「思考やイメージは現実化する」とか、
「イメージトレーニング」などの
考え方があることを。

そしてこれらは、実際に、一定の効果があります。

妄想と言われてもいい。
ただ、こうなりたいのイメージを純粋に思い描いて「楽しむ」のなら、
特に害はありません。

もしかしたら、繰り返しイメージすることで、
行動を起こすモチベーションが高まるかもしれません。

あるいは、イメージは現実化するということで、
何か不思議なきっかけやアイデアが、やってくるかもしれません。

【3】決して、今の自分を責めない

大切なことは、

実現のための、
行動を起こすにしても、
起こさないにしても、

現実の、今の自分を責めない
という所です。

「〇〇すべき」または「〇〇したい」
という理想のイメージを持っている自分。
だけど、「今は そうでない自分」。

その今の自分を、
「理想」や「周囲」と比較して、
否定したり、責めたりする必要はない
のです。

この
「自分を否定したり責めたりすること」
は、本当に、全ての悪循環の元
です。

「自己否定」「自分責め」が、
良い結果、幸せな人生を生み出すことは、
ほぼありません。

(最初に書いた「圧をかけ、その人の心身に緊張と萎縮を生み出す」影響もあります。
そのことで、心身を消耗させ、セルフイメージを下げて、
自分に悪い自己暗示を掛ける形にもなります。
まず良いことはありません。)

だから、つい自己否定や自分責めに行きそうになったら、
それは、早めにやめる。切り上げる。

これは、本当に
肝に銘じてもらいたいことです。

▼それが難しい人は、以前ご紹介した こちらを、もう一度ご覧になって、練習してください!

最後に、3つのポイントおさらい

「〇〇すべき」「〇〇しなくちゃ」
と思う場面があったら、
ぜひ、以下の3つを思い出してください。

【1】「〇〇したい」などに変換できないか、自分に問う

【2】実際に行動するか、自分に問う(行動するのもしないのも自由!)

【3】決して、今の自分を責めない

無自覚に、自分や人に対して、
「〇〇すべき」「〇〇しなくちゃ」
のような脅迫的(強迫的)表現を使わないこと。

そして、それの「実現」を目指すにしても、
目指さないにしても、
「そうでない今の自分」を、
否定したり責めたりしない
こと。

私も、気をつけていきたいです。(^^)

 

四葉さわこ

四葉さわこ

公認心理師。愛着トラウマが専門。カウンセリングルーム「アイバランス」代表。

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