私も経験者だから分かる~!は、強みでリスク。

じぶん調整

私も経験者だから分かる~!は、強みでリスク

私も 気をつけなきゃな、
と思って、書いています。

特に、「子育て経験」の有無で、
「分かっている、分かっていない」を
判断しがちな人は、要注意!です。

ちなみに この話は、
私が「4つのケア」と言っている
4番めの内容、
「関係性のケア」に関わる内容です。

人との関係性において、
「バウンダリー(境界)」
を意識することは、とても大切なんです。

バウンダリー(境界)とは?

いきなり専門用語を出してしまいました。
簡単に説明しますね。

「バウンダリー(境界)」とは、
臨床心理の世界で使われる言葉です。

その意味は、
自分と相手は違う、
という「区別感覚」や
その「境界線」のこと。

自分と相手の
違いを尊重すること
の大切さを説いています。

アドラー心理学の「課題の分離」も、
これとほぼ同じ意味ですね。

「私、知ってる。分かっている」は、要注意。

そして 先に書いたように、
特に「子育て経験の有無」
があると、この
バウンダリーを侵害するような事
が起きがちなんです。

以下は、
バウンダリーを侵害している例です。

・「子どもは母乳で育てるべきだ。」

・「うちの子はこうだった。だからあなたも、こうすべき。」

・「そんな小さいうちから、子どもを預けるなんて可哀想。」

・「子育て経験もない人に、分かるはずがない。」

・「私も経験あるから、あなたの気持ちが、痛いほど分かる。」

本人は良かれと思っていても、
親切のつもりでも、
「あなたの正解」が、
他の人に  そのまま当てはまる
とは限らない。
自分と相手は違う。

その「区別」や「尊重」が
抜けてしまうことは、
時に、相手を傷つけ、
押し付けをする、危険な行為
なんです。

人の相談を受ける時は、特に要注意。

これは本当に、自戒をこめて書いています。

私が、イライラなどに悩んでいる
「お母さん」のお役に立ちたいと思うのは、
自分が、それに苦しんだ経験があるから。
つまり、経験者だからです。

もちろん、
経験者であることは、
強みでもある。

自分も「似たような」経験があるから、
状況や気持ちを想像しやすいし、
お互い共感しやすいし、
参考になる情報を伝えられる部分もある。
プラスに働く部分は、もちろんあります。

経験者ゆえの、
説得力もあるでしょう。

だけど、
いくら似ていても、
全く同じ、ということはない。
全て当てはまる、
ということはない。

これは、心しておかなくてはいけません。
でないと、
単なるお節介、押し付け、
思い込みになってしまいます。

私と相手は違う。

その冷静さと、
相手を尊重する気持ちは、

必ず、どこかで持っていないと
いけないのです。

まとめ

自分が経験者の時、
相手が経験者の時、
気をつけましょう。

「経験している」は強みだけど、
人は それぞれ。
同じところと、違うところ
があります。

「(全て)分かる」、
「(全て)分かってもらえる」
「私と一緒!」
・・・そんな訳は、ないのです。

 

四葉さわこ

四葉さわこ

公認心理師。愛着トラウマが専門。カウンセリングルーム「アイバランス」代表。

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