頑張っている息子に、不安を覚えて。その2

家族・子育て

「素直に褒めて、励ましてやればいいじゃないか」

昨日の記事
「頑張っている息子に、不安を覚えて」の続きです。

息子がせっかく頑張って、
結果を出したのだから、
「素直に褒めて、励ましてやればいいじゃないか。」
「そんな水を差すようなこと、言わなくてもいいじゃないか。」

そんな風に感じた方も、いるかも知れませんね。

昨日の書き方だと、
誤解されたかも知れないのですが、

まずは、息子の喜びの報告を、
うんうん!と、しっかり聴きましたよ。

そして、一緒に喜びました。

頑張ったご褒美に、
結果はどうあれと思って用意していた、
息子の大好物も、食卓に出しましたしね。

ただ、私が彼に言ったのは
結果が出た、
評価をもらえたことは、
素晴らしい。

だけど、
結果はどうあれ、
頑張ったこと自体が素晴らしいんだ。

それを忘れないでほしい、
というメッセージです。

努力すれば、結果は必ず出るのか?

私も20代前半までは、
努力すれば、必ず結果は付いてくる。
と信じていました。

大学受験も、
就職氷河期に、三度目の挑戦で
教員採用試験に受かった時も、
そうでしたから。

そこまでは、努力すれば、
結果が付いてきていた
のです。

ですが、学校教員や、人の子の親になって、痛感しました。
「相手があること」
「他者が関わること」は、違うのです。

どんなにこちらが一生懸命やっても、
頼み込んでも、
脅してみても、

他人(自分の子でも)のことは、
自分の思うようには、
コントロール出来ない
のです。

こちらが努力すれば、
相手は分かってくれるはず。
結果が出るはず。

・・・というのは、
傲慢な思い込みです。

周囲の評価なんて、いい加減なもの。

それから、「周囲の評価」についても。

周囲の評価なんて、
いい加減なものです。

相手の好みや気分で、
簡単に変わるもの
だし、
時に、裏があるものです。
(ネットのレビューや評価も、そうじゃないですか。)

周りに評価されるか、
人気が出るかって、
運次第というか、
おまけみたいなものだと思います。

それに、
「内容がいい」
「評価がつく、人気が出る」
では、ないですよね。

テレビ番組の視聴率、
ツイッターやfacebookなどのいいね!の数も、
単純に「内容がいいから、数字が出ている」
ではない、と思いませんか?

時流にのっているとか、
ゴシップ的な内容が目を引いているだけとか、
そんな要素も、結構あると思いませんか?

それから、専門家の意見や評価だって、
専門家によって、
意見や評価が分かれることはザラ
ですよね。

芸術などの創作物は特にそうだと思うんですけど、
結局は、その専門家の
「好み」や「好き嫌い」で決まる部分も、
大きい
と思います。

それが悪い、ということじゃなくて、
「人の評価」というのは、
そういう、流動的で絶対なものがない。
不確かなものである。

ということです。

大事なことは、自分が納得できる努力をしたか。

大事なことは、
「結果」や「周囲の評価」じゃない。

結果がどうなるか分からないけれど、
周囲に評価されるかは分からないけれど、

自分が納得できるように、
「自分にできること」が出来たか。
努力や行動を起こせたか。

それが、大事なことだと思うのです。

「できることをした」
「やり切った」という、
納得感、達成感を持てることが、素晴らしい。
清々しさが、すばらしいのです。

例え、結果が出なくても、
例え、周囲の評価がもらえなくても、

自分が考え、
行動し、
頑張ったことは必ず、

その人の「経験値」になっています。
「筋肉」や「栄養」になっています。

それは、例え「今」じゃなくても、
いつの日か、素晴らしい「結果」となって、
花開くこともあると思います。

だから、息子よ。

そして、
「結果が出なくちゃ意味がない」
「評価されないとダメだ」
と思い過ぎている人も。

どうか、そのことを
忘れないでもらいたいのです。

 

 

四葉さわこ

四葉さわこ

公認心理師。愛着トラウマが専門。カウンセリングルーム「アイバランス」代表。

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