【41】トラウマと感情の整理、コミュニケーション

じぶん理解

【41】トラウマと感情の整理、コミュニケーション


▼今回の記事
「心の傷(トラウマ)」と「感情の整理」と「コミュニケーション」!


<概要&覚書>
感情は、抑えたり、ごまかしたり、感じないふりをしたりすればするほど、
存在感を増し、コントロールしにくくなる。
実は「トラウマ」も、この感情の抑圧が関係している。

そのショックな出来事の時、もしくはその後、
悲しみきったり、その時の感情を出し切ったりしていないと、
その感情が未解放なまま自分の中に残ってしまい、
何かのきっかけがあるたびに、(感情が)暴れだしてしまうのだ。

催眠療法という心理セラピーは、催眠状態でその過去の時点にさかのぼり、
その時の状況を再体験させ、今度は感情をしっかりと味わうもの。
そうすることで、感情やトラウマの解放をねらうというセラピーなのだ。

私たちは、様々な感情に対して、「いい感情」とか「悪い感情」とかの判断をしがちだが、
感情にいいも悪いもない。
感情を味わうことで、自分の心が語ってくるメッセージを感じることができる。
特に自分の感情は、しっかりと受け容れてほしい

※野口さん参考記事→「自己受容」

しかし、「怒り」「恨み」「ねたみ」などの攻撃的な感情は、第二感情と言われるもので、
本当の感情(第一感情)を覆い隠すもの。
この場合は、本当の感情(第一感情)を見つけて、それをじっくりと感じることが有効
怒りなどの第二感情に「浸る」ことは、おすすめできないと言う。

※野口さん参考記事→第二感情

私達は、プロのセラピストや心理カウンセラーの技術を持っていなくても、
普通のコミュニケーションの中で、相手が感情を感じ解放するのを手伝うことができる。
そのためには、まず「聴く」ことである。
感情について話す場を、相手に提供してあげることだ。

◆相手のために「聴く」
・相手の話をさえぎったり、評価したりせずに、心を傾けて聴く。
・感情はすぐには言葉にならないが、じっくりと待ちながら聴いてあげる。
・相手の気持ちをくみとって、その気持ちに共感する言葉を返してあげる。
・話し手が感情を味わっている「間」「沈黙」を大切にしてあげる。
・時に、感情に焦点を当てる質問をしてあげる。
「その時の感情を言葉にすると?」
「話してみて、今、どんな気分?」など。

◆自分のためにも
・自分自身を整理するためにも、自分の感情と向き合い、
今感じている感情を言葉にしていくことは大切。
・悲しいときは「悲しい」。辛いときは「辛い」。
これは、とても正直で、自分に対して誠実で、そして前向きなことである。
・「否定的な言葉を口ぐせにしない」と言うのと、
「悲しいとか辛いとか、そんな言葉を使わない」と言うのは、イコールではない。

否定的だろうが何だろうが、感情が湧き起こることは自然なことである。
物事の考え方、表現の仕方について、否定語やマイナス思考を見直せばいいことであって、
否定的な感情がおきること自体を、否定する必要は全くない。

<感想&気付き>
自分の感情も相手の感情も、感情が起こること自体は否定しなくてよい。

感情にいいも悪いもない。
気をつけたいのは、出し方と、第二感情である。

「怒り」などの第二感情を感じた時は、「これは第2感情。第1感情は?」と
唱えて、第1感情を味わったり、表現したりするほうに気をつけよう。

 

四葉さわこ

四葉さわこ

公認心理師。愛着トラウマが専門。カウンセリングルーム「アイバランス」代表。

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