【82】ほめ方を間違えると逆効果!~YOUメッセージ~

じぶん理解

【82】ほめ方を間違えると逆効果!~YOUメッセージ~

コーチングや子育て論の場面でよく、
「Iメッセージ」、「YOUメッセージ」という言葉が使われます。
今回と次回の記事は、それらについて詳しく書かれています。


<最高の人間関係を築く手法その2>
▼今回の記事
ほめ方を間違えると逆効果!子どもや部下がいる人に教えよう!


<覚書>
この記事では、「承認」の伝え方について。
まず、「承認とは」について復習。

●「承認」とは、相手(の存在)をみとめること。
そのことで、相手の自己重要感を高め、相手を勇気づけ、相手のやる気を引き出すこと。
そして、「承認」を使うことで、
相手と自分の間に、豊かな人間関係を築くことができるもの。

ここで気をつけたいのが、
●「褒める」イコール「承認」ではないこと。
褒め方によっては、相手が受け入れられず、「承認」として機能しないことがある。

●承認を言葉で伝える場合、次の3つの立場がある。
1.YOUメッセージ

2.Iメッセージ
3.WEメッセージ

●相手が受け入れられない時があるのは、主に「YOUメッセージ」の場合。
今回の記事では、そのYOUメッセージについて説明してあります。

***

●YOUメッセージとは、「あなたは○○だね」と、相手を主語にして、
相手のことを伝える伝え方。
例えば、「君は仕事ができるね。」「(あなたは)よく頑張ったね。」など。
ただし、それは伝える人の主観でそう言っているのであって、
例えば相手が、「自分はダメだ。」と思っている場合、
いくら「君は仕事ができるね。」と言っても、相手は何となく受け入れられないのだ。

相手がそう思っていない場合は、YOUメッセージの「あなたは○○○だね。」は、
例え褒め言葉であっても、受け入れることができない。

●YOUメッセージは、「上から下」、「評価する、される」のメッセージ。
また、このYOUメッセージは、上から下へ発せられるメッセージである。
つまり、メッセージを発する側が「評価する人」で、
受け取る側が「評価される側」になっている。

だから、目下の者が目上の者にYOUメッセージを使うことは、
場合によっては失礼な感じがする。
また、本来、対等な立場である人同士で、YOUメッセージを使っても、
「上から下」、「評価する、される」のニュアンスを含むメッセージになるので、
やはり、相手が受け入れにくい場合がある。

さらに、たとえ立場として、目上の者から目下の者・・・例えば、
「親から子ども」、「教師から生徒」へのメッセージだったとしても、
承認がYOUメッセージに偏るのは、良くないとされている。

●YOUメッセージで人を育てることの弊害。
YOUメッセージで人を育てると、その人は、
「他人からの評価」を気にし過ぎる人に育つ傾向がある。

YOUメッセージで育った人は、人に認めてもらうために頑張るようになってしまう。
そして、自分らしい生き方を見失ってしまいがちになる傾向がある・・・。

それは、決してその人の幸せには繋がらない。
褒める=いいこと!と思われがちだけれど、そうではないのだ。
YOUメッセージの褒め言葉は、与えすぎると危険である。

ハートフルコミュニケーションの菅原裕子さんも、
トマス・ゴードン博士が開発した親業訓練講座においても、
YOUメッセージでほめることの弊害を訴えている。

また、例えば、「あなた、いい子ね」というYOUメッセージは、
野口さんが以前書いたこの記事の、「条件付きストローク」になっている。
子どもは、条件付きストロークばかり与えられて育つと、
自分に自信が持てない子になりやすい。

●効果的なのは、「Iメッセージ」や「WEメッセージ」での承認。
非常に効果的で、どんどん使ってほしいのは、
「Iメッセージ」や「WEメッセージ」での承認。そして「存在承認」。
その詳しい内容については、次回以降の記事で!

●ちなみに・・・
このような子育ての話をすると、ついつい、
「ああ、私はYOUメッセージばかり使っていた!」「自分の子育ては失敗だった!」と
思ってしまいがちだけど・・・。(私もそう思います!(^^;))

子育ても、人生も、いつからだって、軌道修正することはできる。
野口さんは、「子どもが成人してからでも、子育てのやり直しはできる。」
とまで、言っている!

完璧な子育てをしている人も、人間も、絶対にいる訳ないのだから、
決して自分の過去の育て方を責めすぎず、「これから」を考えよう

過去をグジグジ悩んだって、決して過去は変えられない。
でも、自分と未来は、いつからだって変えられる。
視点を、過去ではなく、「これから」に向けていこう!

 

四葉さわこ

四葉さわこ

公認心理師。愛着トラウマが専門。カウンセリングルーム「アイバランス」代表。

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