自律訓練法では解決できないこと。

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自律訓練法では解決できないこと。

自分でできる、おすすめのメンタルケア法として、
「自律訓練法」を紹介している私ですが、
それだけでは、どうしようもないこともあります。
自律訓練法だけでは、太刀打ちできない場合があります。

それは・・・

【1】具体的な、大きな問題を抱えている時です。

例えば、不安や緊張、プレッシャーが、ある具体的な理由から来ている場合。
仕事の場で、重要なプレゼンをする機会が迫っているとか、
苦手なお姑さんの所に、泊まりに行かなくてはいけないとか。
お友達に、物申さなくてはいけない状態とか。

そういう時は、その問題と対決するしかない。

その問題から逃げずに、自分に出来る限りのことをやって、
「あとは当たって砕けろ!」くらいの所まで行く。
そして、「それ自体」とぶつかる。乗り越える。

そうした時初めて、それまで抱えていた、自分のプレッシャーなり
ストレスのようなものから、解放されるんですよね。

そうした対決もしないで、現実や問題からただ逃げていて、
小手先のメンタルケアでラクになろうと思ったって、やっぱりこれは難しい
です。
根本の問題がそのままなんですから。

実は、私も最近、ある人間関係のことや、なかなか上手くまとめられない
講座の準備のことなどで、ものすごくプレッシャーと不安感を
抱いていたことがありました。

そんな時、「こんな時こそ、自分がオススメしている自律訓練法で乗りきろう!」
なんて思ったのですが・・・。

自律訓練法を行って、一時的なリラックスやストレス軽減は図ることができました。
でもそれは、あくまで一時的、一時(いっとき)のものでした。

期限が迫っているなどで、その具体的な不安感が強すぎる時は、
望むだけの効果すら、感じられなかったり。

だけど、その具体的な問題と、悩んで悩んで、試行錯誤して、
とにかくぶつかった時・・・。正面から対決できた時・・・。
それまで抱えていた、不安感やストレス感から、
自分でも驚くくらい、解放されている私がいた
んですよね。

だから、その時思ったんです。

そうか。
こういう時は、その具体的な問題と対決しなくては、
乗り越えなくては、このストレスからは解放されないんだなと。
自律訓練法は、あくまで一時的な解熱剤みたいなものなんだと。

(でも、一時的な解熱剤も、時には大事なんですけどね。
問題に対決する前に、それで、少しはクールダウンしたり、
冷静になれたり、落ち着いたりできる訳ですから。
そうした上で、実際の問題と対決するなら、とても賢い方法だと思います。)

あともう1つ。

【2】不可抗力の問題にぶつかった時。

自分はやれるだけのことをやった。あるいは、自分には全く非がない。
こればかりは、自分の方でどうにかできる問題ではない。
ただただ現実を受けとめるしかないという時。

例えて言うなら、「望まなかった異動」とか、「親しい人やペットを亡くした」とか、
そういう場面でしょうか。

これについては「時間」が解決してくれるのを、待つしかないと思います。

受け入れがたい現実を受け入れなくてはいけない時。
それを理解し、飲みこみ、消化するのには、どうしても時間が必要です。

自律訓練法とか、一時的なストレス解消をやっても、
やらないよりはましと思いますが、やはり、気をまぎらす程度にしかならないでしょう。

こんな時、意外と効果を発揮するのが「睡眠」です。

睡眠って、専門家も口を揃えて言っていますが、メンタルヘルスを考える時、
本当に無視できない、重要なものだと実感します。

何か悩んでいる時、脳も、ものすごく消耗します。疲れます。
これを、睡眠という形で休ませてあげる。
回復させてあげる
のは、ものすごく大切なんですね。

それから、「夢」のパワーも侮れないです。

夢って、無意識に抑えていた感情とか、ゴチャゴチャしていて、
脳や心が、まだ整理できていないモノたちについて、整理したり、
消化促進してくれたりする
んですよね。

ユング心理学などを勉強していても、夢の意義は感じるところですが、
それより何より、自分自身の体験を通して、夢って侮れないな、
無意識を現してくれているな、消化促進してくれているなと、実感してしまいます。

ですから、不可抗力の問題にぶつかってしまった時は、
時間が癒してくれたり、解決してくれたりするのを、待つしかない
ですね。
その時、睡眠を質、量とも上手に確保するのは、より効果的でいいことと思います。

以上、自律訓練法では解決できないことについて、最近感じたことを書いてみました。

何事もそうですが、万能なクスリとか、万能な方法っていうのは、やはりないですよね。
それでも私は、「自律訓練法」のようなセルフケア方法を持つことを、
皆さんにオススメしたいです。

他人の手を借りずに、自分で何とかできる方法を持つこと。
ストレスや疲れを溜め込みすぎず、適度に発散、回復させる習慣を持っていること。
それって、やはり重要だと思うからです。

「できることをコツコツ」の姿勢を、私自身、身につけていきたいと思っています。
(とりあえずは、”自律訓練法”と”Wii Fit”ですね、私は。(^^;))

 

四葉さわこ

四葉さわこ

公認心理師。愛着トラウマが専門。カウンセリングルーム「アイバランス」代表。

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コメント

    • たなまほ
    • 2009.10.14 9:25am

    金曜日に自律訓練法を学ぶのを楽しみにしています。
    こうやって、「こういうときに効果がある」
    「万能ではない」といったことを教えてもらうと
    より、効果的に使えそうでいいですね☆

    最近、早くメンタルケア講座を受けたい…と
    思ってましたが、どうも、私は
    【1】と【2】両方みたいです(^^;
    とりあえず、寝てみます。

    金曜日、楽しみにしています!
    よろしくお願いします!

    • しのちゃん
    • 2009.10.15 1:36pm

    バランスさん、私対決しました!
    まさに今回おっしゃられているとおりに。
    仲間のアドバイスも受けて私の感情をメールで送ってみました。
    結果は報告したとおりになぜかすんなりクリアできました。
    この半年近くの壁が崩れていきスッキリしました。
    バランスさんがおっしゃっていたようにこの半年を無駄にしてしまった部分が多かったと今振り返って思えます。
    バランスさん、仲間のみなさん、ありがとうございました!!!

    • 管理人バランス
    • 2009.10.15 4:28pm

    コメントありがとうございます。
    そうなんです。自律訓練法は万能ではないし、そもそも、「万能」とか「絶対」のものって、ないに等しいと思うんですよね・・・。

    私も、明日の講座でお会いすることを楽しみにしています。どうぞよろしくお願い致します♪

    • 管理人バランス
    • 2009.10.15 4:37pm

    本当に良かったですね!
    半年もの間 抱えていた、大きな大きな荷物がなくなって、どれだけラクになられたことでしょう・・・。

    ちなみに、対決する方法は、「闘争」もあるけど、「逃走」もあると思います。問題と正面から向き合って、いろいろ考えた末に、積極的な「逃走」や「一時保留」を行うなら、それはそれで、勇気ある決断だと私は思うんですよね。 もちろんこの「逃走」は、問題とちゃんと向き合って、自分で覚悟を決める、決断する、という部分は外せないんですけど・・・。

    今回のことで、たくさんのことを学ばれたと思います。ぜひ、今回の経験を今後に活かして下さいね。

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