長男と私(7) ~今~

家族・子育て

長男と私(7) ~今~

長男と私(6)の続きです。

長男が自転車に乗れるようになったあの日から、3週間が経った。
やっぱりあの日から、長男と私の関係は、ちょっと変わった気がする。
長男も変わった気がする。

長男に少しだけ、「がんばれば出来る!」という自信が生まれたようだ。
長男に少しだけ、「私への信頼感」を高めてもらったようだ。

これまで、言うことをちっともきかない、と思っていた長男。
ところが最近は、前より素直に、私の言う事をきくようになった。
前よりちょっとだけ、難しい課題を頑張ろうとするようになった。

補助輪がとれたあの日のイベントは、
長男にとって、かなり大きなものがあったようだ・・・。

もちろん、長男の困った行動が、すっかりなくなった訳ではない。
今でも長男は、たまにかんしゃくを起こしたり、ワガママを言ったり、
妹とケンカして乱暴したり、私の嫌いな、下品で乱暴な言葉、
生意気な言葉を言ったりすることがある。

そんな時私は、やっぱりムカッときて、怒ってしまう
(”叱る”じゃなくて、感情的に”怒ってしまう”)時もあるんだけど。

だけど、何だか前とは、少し違うような気がするのだ。
違う?
・・・違うのは長男だけ・・・?

いや違う。
私も違う。
私も変わったんだ。

以前の私は、正直な所、憎憎しいような気持ちで、本気で怒っていたんだけれど、
(ひどい母親だな・・・。)

今は、「その時の」「その行動」に対して怒っているだけで、
根本の彼自身(彼の存在自体)に対しては、認めているような、受け入れているような、
そんな気持ちを明らかに持てるようになった。

私が講座でよく言っている、「存在は承認」しているけれど、
その行動だけは否認」している感じだ。

もっと分かりやすく言えば、「愛情がベース」にあった上での、叱り方。
それが、やっと出来るようになってきた気がする。
(怒ると叱るの違い。まだまだ修行中の私です・・・。)

それにしても、以前だって私は、
「存在は承認しつつ、いけない行動だけを叱ることが大切」だとか、
「感情的に怒鳴ったり叩いたりすることは決して良くない」とか、
(頭では)十分分かっていた。

ずっと、そうしよう、それが大事だ、理想だと思っていたのに、
実際には、なかなか上手に実践することが出来なかった。

それがどうして、最近になって、ようやく出来るようになってきたんだろう・・・?
ここで改めて、以前と今とで、私や長男の何が変わったのかを、考えてみることにした。

◆自転車の練習に付き合ったあの日を境に、長男と私との間に、ちょっとした
「信頼関係」が構築できた(気がする)。

◆このことがあって、長男も前より、物事に真面目に取り組むようになった。
そしてそれを、私も素直に褒めることが多くなり、長男もさらに頑張る。
・・・それがいい循環になり、長男の「自己肯定感」が、
以前より高まっている(気がする)。

◆長男とは全く関係のない部分で、「私自身の精神状態」が安定するようになってきた。
最近の私は、自分の目指す方向に自信が付いてきたり、一番の不安要素だった
「経済的な部分」でも、ちょっとした定職を見つけられたことで、
以前よりずっと、精神的な安心感が大きくなった。

・・・この3つの違いが、大きいのかも知れないな。

こう書き出してみると、やっぱり、講座で私がお母さんたちに伝えてきたこと・・・
教えてきたはずのこと・・・が、やっぱり大切であったことを、つくづく実感してしまう。

■お母さんの精神状態、情緒安定は、とても大事。

■子どもを認めること、承認することは、やっぱり大事である。

■子どもの「自己肯定感」が高まると、自然に、子どもがいい方向に育ってくれる。
(比較的、言う事を素直にきくようになったり、
物事に意欲的に取り組むようになったりする等。)

・・・長男の事実を目の当たりにすると、
これほど、説得力があるものはないな・・・と実感する。
そしてこれは、子どもが小さいほど、効果が現れやすくて、
子ども(の年齢)が大きくなっているほど、少々時間がかかってしまうものなんだろうな。

でも、上の3つはやっぱり大切なことで、例え時間はかかったとしても、
その3つさえ心がけていたら、
子育てや育児は、かなり楽になってくるのではないか・・・。
そう思えるようになった。

(もちろん、時期やタイミングもある。
子どもの発達段階的に、しょうがない時期もあるし、
それこそ「反抗期」の時期は、その姿が、成長過程の自然な姿なのだから、
受け止めるより他、しょうがない。
そして、そんな子どもの姿を、成長の証!と達観することができれば、
まさに理想的だけど、
・・・接する親の側にしてみたら、やっぱり大変だし、
イライラしたり、感情的になったり、しちゃうよね・・・。それは、無理ないよね・・・。)

ちなみに、自転車イベントのポイントは、
・「長男に分かる形で、伝わる形で」応援できたこと。

・「長男自身が、実際に達成感を得られたこと」。

・私自身も、ああやって頑張った長男を見ることができたことで、
「心から長男を認められるようになった」ということ。
なのかな・・・。

 

四葉さわこ

四葉さわこ

公認心理師。愛着トラウマが専門。カウンセリングルーム「アイバランス」代表。

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コメント

    • すくすく24
    • 2008.05.03 1:43pm

    読んでいるこちらまで嬉しくなるような日記でした。
    『私が講座でよく言っている、「存在は承認」しているけれど、
    「その行動だけは否認」している感じ』

    そうそう・・・大事なことなのは分かっているのですが自分の余裕がないとついつい子供に、「斬り捨てる」(大袈裟?)ような言葉をかけてしまうのです・・・。反省。
    最終回が楽しみです。

    • yasetai4770
    • 2008.05.06 12:51pm

    なんだかうらやましいですね・・・
    私もいつも長男をしかってばかり^^本当はいい子なのに私が嫌がることをするんです。
    また立ち寄らせていただきますね^^

    • 管理人バランス
    • 2008.05.10 2:43pm

    せっかくコメントを頂いたのに、お返事が大変遅れてしまい、
    申し訳ありませんでした。
    記事を読んで頂いたこと、コメントまで頂いたこと、
    とても感謝しています。

    ■すくすく24さん

    そうなんですよね~。頭では分かっていても、こちらに余裕が
    ないと出来ないってこと、よくありますよね。

    ≫読んでいるこちらまで嬉しくなるような日記でした。

    そう言ってもらえて、私も嬉しいです。(^^)
    ありがとうございました。

    ■yasetai4770さん

    「本当はいい子なのに」
    そう言ってあげられるだけ、yasetai4770さんはお子さんの
    ことを大事に思っているんですよね。
    上にも書きましたが、気持ちや生活に余裕がないと、
    分かっていても、受けとめてあげることが出来ない。
    そんな時ありますよね。
    タイミングや時期もあるのかなぁ。
    何か、変化を起こせるタイミングをつくれるといいですね。

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