前回記事の続きです。

「ちはやふる」にハマって、作者の末次由紀さんのことを調べるうちに、意外な事実を知ることになりました。

それは、末次さんが過去、自ら犯した過ちによって、一度は漫画家生命を絶たれたことがある、という事実でした。

しかし末次さんは、ご自分の過失をいさぎよく認め、2年間謹慎した後、大きな情熱と努力でもって、再び 漫画界に復帰されたのです。

彼女が犯した過ちや その経緯については、漫画家&漫画評論家である いしかわじゅん氏が、ご自身のHPで触れられていました。この記事、とても分かりやすくまとめてあったので、いしかわ氏の許可を得て、そのまま紹介させて頂きます。

ちはやふる(1) (BE・LOVEコミックス)

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あの、末次由紀だ。
知ってる人は知っているが、彼女はほかの漫画家たちの絵をトレースして、
自分の漫画の中に大量に使い、それがバレて漫画家生命を一度失った。
なにせ、連載が打ち切りになっただけでなく、
それまで出した単行本20数冊がすべて絶版になったのだ。
本人の蒔いた種とはいえ、厳しい処置だった。

ほかの漫画家の影響を受ける漫画家はいる。
うっかり似たものを描いてしまうケースもあるだろう。
ぼくだってずっと以前、他の漫画家のキャラを気づかず描いてしまったことがある。

しかし、そういうケースとは違い、
確信犯として写す者もいる。
窮余の策として盗むものもいる。

彼女がどういうつもりで他の漫画家の絵を盗んだのかはわからない。
でも、それはやはり非難されてしかるべき行為だった。

もう戻ってはこないだろうなと 思っていた。
ネットを中心に、あれだけ叩かれては、もう立ち直れないだろうなと思っていたのだ。
検証サイトもできて、証拠がいくつも提示された。 言い逃れはできない。

それでも、末次由紀は戻ってきたのだ。
2年、間をおいて、同じ講談社で読み切りを描き、「ちはやふる」の連載を始めた。

描きたかったんだなあ。
漫画家は、描きたいのだ。 描いたものを、読んでもらいたいのだ。
末次由紀は、戻ってきた。

「ちはやふる」は、面白い。
5巻(※1)まで出ているが、すべて夢中で読んだ。
これが描きたくて、末次由紀はまた嵐の中に船を出したんだな。

きっといろいろ いう人はいるだろうが、それは仕方ない。
彼女は、いい仕事をしていくしかないのだ。
それが、赦しなのだ。

(※1…2010年10月現在で、10巻まで刊行)

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末次さんの事例は、私に、とても大きな勇気を与えてくれました。

一度過ちを犯しても、本気で反省して、

まっすぐ真剣な生き方をしているなら、多くの人が許してくれる。わかってくれる。

この「ちはやふる」。 連載されている雑誌や単行本を見ればわかりますが、 「全日本かるた協会」など、関係諸機関の”協力”や”許可” をしっかり得て、自分の身体で何度も ”取材”や”実体験”をし、それで、作品を創っていらっしゃるようです。
また、担当編集者も 競技かるたの経験者だったり、そんなご縁や背景もあるようですが、とにかく、そんなたくさんの協力や準備があって、

正々堂々と

「ちはやふる」の作品を創り上げているのです。

また、作中のエピソードや登場人物の言葉からも、「逃げないこと」の大切さ、「努力する」こと、「夢や情熱を忘れないこと」の大切さが、ビシビシ伝わってきます。
末次さんご自身の体験や 思いがあるからこそ、説得力ある描写や言葉が出てくるんだろうなぁ、と私は感じています。

ちはやふる(2) (BE・LOVEコミックス)

作品の中以外でも、末次さんご自身の言葉や姿勢に、
周りへの感謝や、過去の事実から逃げない様子
が 何度も表現されています。

■復帰後初の読みきり漫画「ハルコイ」単行本の扉コメントより
「丸ペンやGペンが紙の上を走る音は キシキシと鋭くて、
慣れないと耳が痛くなります。
痛がる鼓膜が 『まんが』を思い出させます。
この場をくれた たくさんの方々と、この本を手に取ってくれた
みなさんに深く感謝します。」

■マンガ大賞2009の授賞式で――

末次さん本人は出席を辞退。代理人を通して発表したコメントで。
「自分は、過去に犯した間違いというものがあり、まだこういう場に出て行ける
ような人間ではない。一生懸命マンガを描いていくことでしか恩返しはできない。」

そんな姿勢の末次さんに、私はすっかり感動してしまって、
ますます、「ちはやふる」も、作者の「末次由紀」さんも、大好きに なってしまったのでした。

ちはやふる(3) (BE・LOVEコミックス)

そして、こんな末次さんの事例を、今、私が月2回講座をしている少年院の少年たちにもぜひ教えてあげたくなったんですね。 末次さんの「逃げずに頑張っている」姿勢、そして「結果を出している」姿勢は、きっと、少年たちに大きな勇気を与えるのではと思って・・・。

そこで、「ちはやふる」を出版している講談社に問い合わせをし、出版社の方を通して、末次さんご本人の許可を頂くことにしました。
結果、直接ご本人とお話しすることはありませんでしたが、「快諾」して 頂いて!
「公表されていることを話してもらうことは、構いません。少年院講座で皆様のお力に少しでもなれれば幸いです。」という旨のお返事を頂きました…。(*^_^*)
(早速、少年院講座で 簡単にですが紹介させてもらっています♪)

ちはやふる(4) (BE・LOVEコミックス)

長くなりましたが、

過ちや失敗を経験しない人は、いない。
大事なのは、それを活かして、”今”がんばること。逃げないこと。

今、まっすぐ真剣な生き方をしているなら、
多くの人が許してくれる。わかってくれる。

そんなことを、「ちはやふる」の末次さんには、学ばせて頂きました。

一連の過去を知らなくても、「ちはやふる」は本当に面白い漫画で大好きでしたが、いろいろなことを知って、ますます私は、末次さんの本を 愛読&応援していこうと思いました。