ほめ苦手ママの克服法【1】~世代間連鎖と私のケース~

家族・子育て

ほめるのが苦手、できないのは、
そうなる理由があるから。
克服法が分かっていれば、
ちゃんと変えることができる。

ほめるのが苦手というママたちへ

最近、自分の生育歴を振り返る
四葉ストーリーというものを書いています。

そちらで、私は子どもの頃、
ほめられた記憶がないとか、
うちの母親が、ほめるのが苦手な人だった
子どもからすると、残念な対応もあった、
ということを書きました。

参照記事
「私は可愛くない」のセルフイメージ
「勉強できる」が、唯一の承認欲求を満たすこと

そして、実は私も、
子どもをほめるのが、
苦手な母親だった
のです。

そこで今回は、
ほめるのが苦手、得意じゃない
というお母さんたちに向けて、
その原因や克服法について
2回連続で記事を書きたいと思います。

苦手になる原因。世代間連鎖もある?

ほめるのが苦手なママが、
それを克服するために考えるべきポイント
2つあります。 それは、

(1)ほめるのを苦手にした、過去の原因
(2)単純に、慣れてないということ

この2つを、しっかり押さえて理解することです。
そして、対策をとることです。

また、このテーマには、
いわゆる「世代間連鎖」のようなものが
絡んでいることも、少なくありません。

カウンセリングの現場でも、
数々のそのようなケースを見てきました。
ここでは、私自身と、私の母親のケースを出して、それを説明したいと思います。

母がそうなった原因

私の母は、ほめるのが苦手なタイプです。

上にも書いたように、私は子どもの頃、
母に(父にもだけど)、ほめられた記憶がない、とは認識していました。

だけど私も大人になって、
よくよく母と話していたら、
こんなことがわかってきたんです。

母が、口には全く出さなかったけれど、
実は私に感謝していたとか、
偉いなと思っていたとか、
そんなふうに、
私のことを肯定的に見ていた場面が、少なからずあったんだ!ということです。

それを知った時は、
なんで母は、それを、当時の私に直接、
言葉に出して言ってくれなかったのか?
と、
怪訝に思いました。

ですが、まさにそこに、
母が素直に子供をほめられない原因
が、潜んでいるのです。


母の母、つまり私にとっての母方祖母は、
子供をほめるどころか、
言ってはいけない暴言を吐く人でした。

5人兄妹の末っ子である母に、

「お前なんか、生まなきゃよかった。」
「ひねっちまえば(堕胎すれば)良かった。」

そんなことを、気に入らない時に何度も言う人だったそうです。

母は大人になって、娘である私にもそのことを愚痴っていましたから、
本当にショックで、傷ついたのだと思います。
(当たり前ですよね。絶対に言ってはいけない言葉です。)

孫の私から見た祖母の姿も、
年中、周囲の文句や悪口を言っている人だった
(天皇陛下の文句まで言っていました)ので、
母は本当に、祖母に暴言やネガティブな言葉を浴びせられて、
育ってきた
んだと思います。

母の精いっぱいの子育て

そんな母は、自分が浴びせられたような暴言を、私に言った事はありません。

まさに、祖母を反面教師にして、
「そんなひどい事は、決して子どもに言わない!」
それを実行してくれた
んだと思います。
その事は、本当にありがたいです。

だけど母は、「親にほめられる」
なんていう経験も、たぶんゼロだったわけです。
子どもをほめるという
”感覚”も、”発想”も、
たぶん全然なかった
んですよね。

経験してないこと、
思い浮かびもしない事は、
できるわけない
じゃないですか。

だから母は、私も含め4人の子どもたちを
「ほめる」という行動は、
なかなかできなかった
んだと思います。

だけど、世の中が少しずつ、
子どもを褒めようとか、ほめて伸ばすとか、
そんなことを言うようになってきた。
母もようやく、それを認識するようになった。

だから、私たちが大人になってから、
あるいはその孫たちには、
少しずつだけど「ほめる」「みとめる」「感謝の言葉を伝える」、
そんなことをするようになってきたんだと思います。

それが、母の人生からは、
精いっぱいだった
んだと思います。

私が苦手になった原因

一方、私自身です。

私は、母に暴言はそれほど言われなかったけれど、
上に書いたように、「ほめられる」という経験も、ほとんどしていないわけです。

どちらかと言えば、
母の愚痴を聞かされるとか、
「こうした方が良い」「こうすべき」
などと、指示や押し付けをされるようなコミュニケーション
が、ほとんどでした。

だから私も、「親が子どもをほめる」とか、
「親が子どもの話をじっくり聞いてあげる。
そして認めてあげる」なんて
実体験は、正直、皆無だったのです。

▼小4のわたしと、小1の妹


だから、なんだと思います。

私は、教育学や心理学などを学んで、
育児書もたくさん読んで、
「ほめたり認めたりすることが大切」
なのは、”頭では” わかっていた。

だけど、それをいざ、毎日の生活の中で、
自分の子どもたちに行おうとすると、
なかなかうまく出来ない。

違和感があったり、
なんだかモヤモヤしたりして、
思うようにできないのです。

「なんで私が、子どもにここまでしてやらなきゃいけないんだ?!」
「なんで私が、子どもにここまで気を遣ってやらなきゃいけないんだ?!」

…と、どこかで腹が立ってしまうのです。


気持ちに余裕がある時、
「この場面は、あきらかな”ほめ”場面!」
と気づける時は、
「そうするのが望ましいと、頭では分かっている」ので、
子どもをほめたり、認めたりすることが出来ます。

だけど、どこかちょっと打算的というか、
下心を隠し持っていて、
「意識して それをやっている」。
そんな部分も、正直あったのです。


ちなみに私は、身内じゃなくて、
教員をやっていた頃の生徒たちとか、
今、カウンセリングで関わっているクライアントさんたちには
素直な気持ちで、ほめたり認めたりができます。

その人の素敵なところや強みが、素直にいいなと思えるし、
それを言葉にして伝えることも、全く苦になりません。

これは、互いの関係性や距離感が違うから
という部分もあるし、私個人の問題で、
「親子関係」という場面で、どうしても、
うずきやすい記憶や感情を抱えている

そういう部分があるからでしょう。

(これは、多くの方にもよく起きている現象です。
そして私自身は、先輩セラピストのお世話になって、
この自分のテーマを、ずっと癒し続けています。
今は、だいぶラクに
なっています。)

ここでいったん記事を区切りますね。

次回の記事で これまでのまとめと、
具体的な克服法を書きたいと思います。

▼次回の記事(9月14日更新)
ほめ苦手ママの克服法【2】~世代間連鎖と克服法~

 

四葉さわこ

四葉さわこ

公認心理師。愛着トラウマが専門。カウンセリングルーム「アイバランス」代表。

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