当時の私は、「理想のお母さんになる!」と
大きな希望とやる気に満ちていました。
そして それを実現するために、
たくさんの「知識武装」と「準備」をしていました。
もちろん どんな人でも、
自分の家庭や子どもを持つことになったら、
大なり小なり 一生懸命になると思います。
ですが、当時のわたしが、
「理想的な」知識や情報にたくさん触れていたこと。
そして、それを実現しようと
気合いが入り過ぎていたこと、
1人で頑張ろうとし過ぎていたことは、
一概にいいとは言えないことでした。
では、こちらの記事で ご案内したように、
「当時のワタシ」と、「今のワタシ」、
2人の声で 当時のことを語りたいと思います。
当時のワタシの考え、気持ち
優しい旦那様と結婚して、
素敵なマイホームも建てた。
(子どもの頃と違って)、経済的にも安定している。
そして、子どもも授かった!
これからはきっと、理想的で幸せな家庭を築いていける。
私は、親とは違う、理想的なお母さんになる!
絶対に良い子育てをする!
そのために、できる限りの準備や努力をしよう。
教員になる時も、マイホームを建てる時もそうだったけど、
たくさんのマニュアル本や関係書籍を読み込んで、
知識や情報をたくさん仕入れよう。
もちろん、全てがマニュアル通りにはいかないだろうけど、
必要な知識や情報を取得できれば、
後は、それが実現できるように、
「私が」「努力すればいいだけ」なんだから。
私は、絶対に、いいお母さんになる。
今のワタシが思うこと、伝えたいこと。
(気合いが入り過ぎていて、
知識武装をし過ぎていて、心配だな…。)
(「理想的」な情報を知り過ぎていると、
かえって、それが出来ない現実に
ぶち当たった時、つらくなるんだよな…。)
(でも、せっかくやる気になっているのに、
それに水を差すようなことは言いづらいな…)
…そうだよね。
初めての妊娠、出産だものね。
気合いが入るのは当たり前だし、
誰だって、「良いお母さん」や
「理想的な家庭を築きたい」って、思うもの。
特にあなたは、子どもの頃の経験とか、
大学での勉強とか、自主的な勉強でも、
これまで、「教育」をたくさん学んできたものね。
人一倍、理想的な教育や親業を実現したい、
という気持ちが強くても、無理はないと思うよ。
・・・だけど・・・
「理想的な教育」とか「理想的な親」なんて、
なかなか実現できないもの。
私が心配なのは、それを実現しようとして、
あなたが頑張り過ぎたり、
1人で抱え過ぎたりしないかな、
ってこと。
「妊娠」や「出産」をすることだけでも、
お母さんの心身にはたくさんの負担が掛かって、
大変なことなんだよ。
そして、子育てって、やっぱり大変。
ままならない部分がたくさんある。
とても、一人で抱えてなんて出来ない。
出産後は、ホルモンの影響もあるし、
産後うつや、育児ストレスに悩むお母さんも、たくさんいる。
私は、たくさんのお母さんの
カウンセリングをしてきたけれど、
真面目で一生懸命なお母さんこそ、
頑張り過ぎて、理想通りにできない自分を責めて、
子育てを、余計大変にさせている
ように感じている。
あなたの一生懸命さは素晴らしいと思うけど、
やっぱり、ちょっと心配だな。
イギリスの小児精神科医「ウィニコット」が、
有名な言葉を言っているのを知っているかな?
「ほどほどのお母さん、
ほどほどの子育てが、一番いい。」
完璧な母親、完璧な育児、子どもが何か求めたら、
その欲求に完璧に応える、
子どものことを完璧に把握している…。
そんな完璧なお母さんは、
子どもの健全な発達のためには、かえって良くないと言われているの。
実際に私も、カウンセリングの場で、
「親が完璧すぎて」苦しかった、プレッシャーだった、
というクライアントさんを何人も見て来たよ。
少し抜けている所があったり、
ちょっとはガマンさせたり、
人間らしく感情的になってしまう時があったり。
そういう、完璧ではない、
万能ではないお母さんの方が、
かえっていいんだよ。
子どもが、外の世界や現実を学ぶためには、
ある程度は、そういうことが必要なんだよ。
だから、お母さんにできる範囲の、
ある程度の世話やしつけをする。
そんな、「ほどほどのお母さん」でいいんだよ。
まとめ: 理想通りはムリ!「ほどほどのお母さん」になって。
「良いお母さんになりたい!」
「理想的な家庭を築きたい!」
その気持ちは、痛いほど分かります。
だけど、気合いや努力、知識武装だけで、理想の子育てはできません。
むしろ、「ほどほどのお母さん」でいい。
そんな風に 肩の力を抜いて、
周りに頼ったり、甘えたり、
時々手を抜いたり、休んだりした方が、
ずっといい子育てができます。
どうか、一人で抱えこんだり、頑張り過ぎたりせず、
「ほどほどに」取り組んでいってください。
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