カウンセリングのこと

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カウンセリングのこと

カウンセリングをさせてもらうようになって、2年になる。

最初の頃は、こちらの力量や知識が豊かであれば、「きっと人を救える」
なんて、安易に考えていた。

でも、最近つくづく思う。
結局人が変わるのは、その人自身の力なのだと。

私の投げかけは、その人がちょっと忘れている、自分の力に
気付かせてあげること。

混乱しているところを、ちょっと一緒にほぐしてあげること。

とことん、その人の鏡になること。
とことん、その人を信じて、味方になってあげること。

・・・・それに尽きるんじゃないだろうか。

それが、その人の貴重なきっかけとなることもあるし、
ちょっとした、マッサージにしかならないこともある。

でも、その人にはその人のタイミングや力があるのだから、
それを信じて、お任せするしかないのだ・・・。
私が無理強いして良い結果になることは、ほとんどない。
(一時的に高揚させても、続かなければ意味がない。)

***

最近、ずっと継続して関わってきたクライアントさんを見て、
「あぁ。変わったなぁ。ずいぶん回復されたなぁ。」と実感することがあった。

彼女の状態は、”毛糸の球”に例えたら、あまりにもからまっていて、
きつくギュウギュウとなっている状態。
本人も、そのからまりが固すぎて訳が分からなくなっている。
そして、とにかく痛くて苦しいのに、どこから手をつけてよいか分からない。
そんな感じだった。

一つ一つ、糸をほぐしていく作業だけでも、だいぶ時間がかかった。
・・・ここまで、本当に長かったし、回数も重ねてきたけれど・・・

でも今!
彼女の中に、ここまでパワーが育ってきた!

この事実に、まず深い感動を覚えた。
やっぱり、人は成長するのだ。回復するのだ。

そしてこれは、彼女があきらめずに、根気よく誠実に
取り組んできたからであろう。
私の力ではない。

私は、寄り添って鏡になって、追走することしか出来ないのだから。
実際に、人生をマラソンしてきたのは、彼女である。
彼女の力と人間の力に、私は、大きな感動を覚える。

カウンセラーやコーチの出来ることなんて、たかが知れている。
万能でも神様でもない。単なるきっかけ、単なる鏡だ。

育てるのは、その人自身の力。生きる力。

私は、育とう生きようとがんばっている人に、少しでも良い形で、
「鏡をあて」、「温めて」いける存在になろう。

そのための勉強や経験を積んでいこう。

私はやっぱり、この仕事が大好きだ。

 

四葉さわこ

四葉さわこ

公認心理師。愛着トラウマが専門。カウンセリングルーム「アイバランス」代表。

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コメント

    • しのちゃん
    • 2008.11.14 10:56am

    カウンセリング。
    いろいろご苦労が多い仕事ですよね。
    しかもなかなか目に見えて変化がなかったりして。
    でも、そんな仕事が大好きで根気強く人に向き合っているバランスさん、すばらしいです。
    いつも応援しています。

    • 管理人バランス
    • 2008.11.15 6:57am

    ありがとうございます。
    そうですね。苦労も確かにあるのですが、でも「カウンセリング」自体を苦に思ったことはないんですよね。やっぱり、好きなんでしょうね。(^^)

    ≫いつも応援しています。

    この言葉に、大きなパワーをもらいました。
    ありがとうございます。(*^_^*)

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